ハエ

昨日の甘利山でのこと。
花畑の道を歩いていたとき、僕の前を進んでいた次女がくるっと振り返って左手を差し出した。そして、
「とうさん、これ撮って」と言った。
差し出された手の親指にはハエが止まっている。
「いいよ」と僕は返事を返して、カメラを向けた。
すぐに飛んでいくかと思い、急いで撮影した。でも、ハエはなかなか飛ばない。
「撮ったよ」と告げると、
「違うよ、早く取って」
と言われた。どうやら“追い払って”という意味だったらしい。
それが面白くて、少しの間次女をからかっていたら、ハエはようやく飛んで行った。
花畑には虫が多い。