オナガ

オナガとウナギは音が似ていなくも無い、と無理矢理ウナギの話に持っていく。
なんだかニホンウナギレッドリストに載ったという。近頃はシラスウナギの漁獲量が減っていたということだから、こんなことになろうとはみんながなんとなく思っていたことだろう。僕はこのニュースで、「ハタハタ」のことを思い出した。秋田名物としても知られる魚のハタハタだ。もう20年ほども前のことになるが、ハタハタの漁獲量が激減した。当時のニュースでは最盛期の10分の1以下になったと言っていたと思う。この危機的状態の中で、秋田県や近県の漁業者たちは非常に積極的な対策に打って出た。それは「禁漁」だった。漁期を短縮するとか、漁獲量規制をするとかいった甘いものではない。まるで獲ってはいけないのだ。しかも1年だけではなかく、記憶によれば3年間の禁猟期を設定し、資源回復を図った。これによってハタハタの資源量は回復した。
ハタハタからウナギに話を戻せば、われわれ消費者の問題であろうと思う。僕が子供の頃からの大好物であるウナギは、本来、鰻屋で食べるものであった。僕の場合には成田山の参詣の際に参道の鰻屋で食べた記憶が多い。もちろんそれ以外で鰻を食べたときの思い出も、鰻屋で食べたものばかりだ。決してスーパーで買ってきて家で食べる種類の食べ物ではなかったし、そんな売り方を昔はしていなかった。もちろん牛丼屋や回転寿司屋でたべるものではなかった。鰻屋というのは鰻以外は飲み物ぐらいしか売っていない専門店であり、日本料理店のメニューのひとつとして載っている鰻重は、鰻屋のそれよりも格が落ちるものであった。
だから、結論としては、(1)鰻は鰻屋で食べるものと消費者が心に決めること。(2)鰻屋以外の飲食店は鰻を出さないこと。増してや外食チェーンは罰金モノ。(3)スーパーは業界の自主規制としてパック鰻を売らないこと。